2012年6月13日水曜日

被災地起業家支援事業の費用対効果の測り方


 内閣府の事業仕分けで、被災地起業家支援事業の廃止決定が波紋を広げている。

 廃止決定の主な理由は、①予算規模が32億円と大きいにも関わらず、費用対効果が曖昧、②中間支援団体の中抜きが大きく政策効果が期待できない、③中間支援団体のモニタリング、事業支援のインセンティブが埋め込まれていない(リスクをとっていない)などであった。

 この被災地起業家支援事業は「社会的プロジェクトの効果測定」に関わるものだ。社会的プロジェクトの効果測定は、経済的便益と社会的便益からなり、単純に、経済的な便益によって測定することはできない。社会的な便益も苦慮されるべきであるが、この社会的便益は貨幣換算するのが難しいという面がある。

 被災地起業家支援事業に先立つ「内閣府地域社会雇用創造事業」においては、中間支援組織である「グランドワーク三島」が、費用対効果をSROI(社会的投資収益分析)という手法によって算定し、その効果は非常に高い(14.4倍)というレポーティングがされている。ただし、この推計値は、社会起業家の事業がプラン通りいったらという大甘(?)の想定が前提となっており、推定値の信頼性は低いものとなっている。

以上の問題の2つの解決策がある。

(解決策1)
中間支援組織の効果測定を社会的な便益も考慮し、統一的な手法(ソーシャルインパクト指数)で、横断的(中間支援組織すべての団体)に評価をおこなうことである。事業をスタートする前から測定を始めることが肝要である! なぜなら、こういう形で測定すること事態が、その数値を高めるインセンティブを中間支援組織に与えるからである。

(解決策2)
当事業をソーシャルインパクトボンド型で、成果に事後インセンティブを支払うスキームを採用することである。例えば、中間支援組織が雇用者1人生むと100万円の事後的なインセンティブを政府から受け取り、2年度も続いたらさらに30万円支払う形にする。

以上の方法を実施することで、税金を半分に、効果は2倍にすることが可能となるだろう。

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