2012年6月13日水曜日

国民が望んでもいない原発が建設される「金融のカラクリ」


 グリーンピース主催の「原発の投資リスクと自然エネルギー市場の可能性」セミナーに参加した。いろいろとインスピレーションを頂いた。

 私の問題意識は、「何故、資産的にはハイリスクな原発がローリスクハイリターンの金融資産に変換可能なのか?」である。

 原発という資産的にはハイリスクなものが、福島原発事故前までは、東京電力の株式は安定的な配当の高い高利回り金融商品として高齢者に人気を博してきた。

Aハイリスクな資産→B □□→C ローリスクハイリターンな金融商品

B □□のメカニズムはどうなっているのか?

どうしたら、ハイリスクな資産がローリスクハイリターンな資産に変換が可能なのか?
ノーベル賞をとったモジリアニ=ミラーのMM定理に明らかに反しているではないか! 金融市場ではノーフリーランチである。誰もただでリターンを得られないのだ。

答えは、Bの変換過程で、リスクを根こそぎとってくれる投資家が存在したからである。

それが生命保険会社である。日本生命は電力関係に1兆円の巨額投資をおこなっていた。

原発を支える金融メカニズムは、構造的には、優先劣後構造になっていたのだ。つまり、生命保険会社が劣後出資者として高いリスクをとり、残ったリスクを劣後出資者として個人投資家がとるという構造である。国民にはローリスクハイリターンの投資で一見いい話のようにみえるが、、、

この問題は、国民が原発を望んでいないのに、生命保険会社が高いリスクをとることで、原発建設が可能となり、国民の意に反してしまうことである。そして、国民も電力会社の株式を購入することによって、原発建設に意図せずして加担させられてしまっていたのだ。

通常、株式会社であれば、株主になることによって、国民は国民の意を実現することができるが、
 
生命保険会社は、相互会社であり、公開もしていないから、株主にもなれないのだ。

この構造が、国民が望まない原発が建設されるメカニズムであり、
国民が原発建設に反対しつつも、意図せずして加担させられてしまうカラクリだったのだ。

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