2012年6月14日木曜日

社会的企業家をアナリストはどう料理すべきか?


社会的企業の分析レポートを大和証券で公開している。
http://www.daiwa-grp.jp/csr/citizen/support/college/ 
社会的企業として有名な、HASUNA、マザーハウス、米国NPO法人コペルニクなども入っている。

社会的企業のアナリストレポートは意欲的な取り組みだが、まだ試行錯誤であろうと思う。上場会社のアナリストレポートは投資家向けのものであるが、社会的企業のレポートは誰のためのものなのか、まだまだはっきりしない面もある。

レポートの項目は、①解決を目指す社会的課題の重要性、②社会的課題とミッションの妥当性、③ビジネスモデル、④持続可能性など。

社会的課題→ミッション/ビジョン→解決手段としてのビジネスモデル→持続可能なレベルで収益をあげられるか? という流れである。

一歩下がって考えてみると、
社会企業家はなぜ、自分たちを「社会企業家」としてブランディングしているのか?

おそらくは、
自分たちは、経済的価値、利益を第一優先として活動していないということをアピールする意図がある。

経済的利益を第一優先とせずに、社会の課題を解決すること、すなわち社会的価値を高めることを自分たちは目指しているという意見表明である。

したがって、社会的企業を評価する際には、単に売上、利益をあげている、だから、持続可能か否かを論じるのではなく、

社会的課題はその団体の活動によって本当に解決されているのか、その社会的なインパクトをもとに評価する必要があるのではないか?

また、社会的なインパクトを本当にあげられていたら、必要な資源(寄付、出資、プロボノ、ボランティア)は集まってくるという楽観的な見方も可能である。

社会的なインパクトをあげられれば、たとえ利益をあげる見込みがなくても、持続可能なビジネスモデルになりうるのである。

また、社会的なインパクトが示されることで、社会的企業のレポートは誰のためのものなのかを一部解決することができる。社会的なインパクトを与える影響範囲のステークホルダーはそのレポートの読者になりうる。

この両方の観点から分析することで、社会的企業家も本望(ほんもう)ではないか? 

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