これまで、READY FOR?で最も資金を集めたのは、「陸前高田市の空っぽの図書室を本でいっぱいにしようプロジェクトである。862名の人から支援で、824万5000円を集めることに成功した。https://t.co/oBkSf5SX
このプロジェクトから、クラウドファンディングの成功法則、ファンドレイズの失敗しない、絶対成功法則を導くことができる。
何故、このプロジェクトは大成功できたのか? 理由は一言でいうと、クラウドファンディングの特性をうまく引き出したから。
では、クラウドファンディングの特性とは何か?
クラウドファンディングは幅広い人から小口資金を集めることを意味する。そのために、魅力的なリターンを使う。クラウドファンディングでお金を集めるとは、どうやったら支援者にとって魅力的なリターンとなるのかを考えることなのである。ここがクラウドファンディングの一番の本質だ。
その答えが今回のプロジェクトの成功を探ることで見えてくる。
要因分析
①
テーマ性の共感性
このプロジェクトのテーマは被災地、子供、本。本というのは誰にでもなじみやすいテーマだ。テーマの共感性で幅広い人からの関心を引き出す。しかし、テーマで幅広い関心を引き出すことに成功しても実際にお金を出すまでいかないケースが圧倒的に多い。そこで次のポイントが重要になる。
②
支援者にとって魅力的なリターンの設定
お金を出すスイッチを押すには、支援者にとって魅力的なリターンの設定が必要なのだ。あくまで支援者にとってであって、支援しない人に取って魅力的なリターンになってもしょうがないのである。ここが多くの人が誤るポイントである。今回のプロジェクトは、10000円で496名、20000円で85名を集めることに成功しており、この2つのリターン設計がうまくいったことがわかる。通常のクラウドファンディングの平均支援金額は10000円よりもずっと低い。
具体的にみてみよう。10000円のリターン設計は、「ご希望の本を一冊お名前入りで、蔵書として図書室に収めさせていただきます。」となっている。自分の好きな本を贈れる、これがまさにカスタマイズ化、パーソナライズ化された、その人ならではのリターンになっている。次の20000円のリターン設定は、「上記に加えて、岩手の伝統工芸品である南部裂織の栞を送らせていただきます。」となっている。この20000円でも85名、トータル170万円集めており、この地元の名産品のリターンも効果的であったことがわかる。
③ソーシャルメディアを活用しインタラクションを生むこと
今回は、応援コメント欄には862回のコメント、いいね!は2791名、ツイート1698回を生み出している。応援コメント欄に自分が寄贈したい本を書くようになっており、これが大量のインタラクションを生み出したもとになっている。カスタマイズ化、パーソナライズ化されたリターン設計がインタラクションを生み出すことに寄与したことがわかる。
④お金の使い方とその透明性の確保
1万円で自分が好きな本を寄贈する形なので、資金使途は非常に透明だ。このことも、お金を出すスイッチを押すことに寄与した。また、支援金は本の購入原資で資金がいくらあってもいいプロジェクトであるから、目標金額を上回った後も支援者を抑制しなかった。通常のクラウドファンディングは目標金額を超えると、支援者を集める力が減速する。しかし、今回は違った。寄付とクラウドファンディングの違いがよく活用できた事例である。
以上の4つの法則は、クラウドファンディングだけでなく、様々なファンドレイジング戦略に応用が効くだろう。
「同一の、誰にでも魅力的なリターンよって多くの支援者を集めるのではなく、パーソナライズ化したリターンを設計することによって、幅広い支援者を集めるということがポイントとなること」が示されている。
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