コトラーはマーケティングの神様と言われるが、自分の最大の業績は何か?と問われると、「非営利にもマーケティングが必要なことを発見したこと」と述べている。以前は、非営利にマーケティングは必要という概念はなかったのだ。
現在では、非営利、ソーシャルセクターにもマーケティングは必要ということは常識になっているが、何が営利企業のマーケティングと異なっているのだろうか? この点に関してはまだ確立された見解はないし、明確な答えを持っている人は少ない。
まず目的であるが、営利企業のマーケティングの目的が自社の製品サービスを販売することであるのに対して、ソーシャルセクターでは社会の課題を解決することが挙げられる。
手段は、営利企業が4Pを軸にマーケティング戦略が構成されるのに対して、私は、この4Pに加えて、ソーシャルインパクト、ステークホルダーマネジメントが非常に重要な位置づけを占めていると考える。
何故なら、ソーシャルセクターは、製品サービスの受益者とお金の支払い手が異なるケースが多いから。受益者は社会的な弱者であったり、資金的には恵まれないことが多い。この点が、営利企業のマーケティングと非営利企業のマーケティングの最大の違いになっている。
このことが、マーケティングにどのような違いを生じさせるか? つまり、製品サービスを提供するのに要するコスト、およびその運営費を誰か別のステークホルダーに負担してもらう必要性が生じるのだ。
別の主体に負担してもらう上で、ソーシャルインパクトとアカウンタビリティがより求められる。
この結果、ソーシャルセクターではマーケティングとファンドレイジングの境界も曖昧になる。これももう1つの特徴である。
1つのアドヴァイスは、「最も自社の活動を評価するステークホルダーを探し出し、その関係性の上に、ソーシャルインパクトを売れ」となる。
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