Campfireで資金調達したプロジェクト「非常食定期宅配サービス」が事業からの撤退を発表したhttp://bit.ly/RvZQbz 月未発送分に関しては清算される見通しである。個人的には、忘れやすい非常食を低価格で定期サービス化した点に面白さを感じたプロジェクトであり、残念だ。また一方で、このサービスがこの価格(リターン金額)で可能なの?と当初思っていた懸念が顕在化した形でもある。
プロジェクトは、Campfireで目標金額を当時史上最短で達成し、当初目標金額12万円に対して、実際に集まった金額は61万円と約5倍に達した。まさに、期待されたプロジェクトであった。
ある面で、今回はクラウドファンディングリスクが顕在化した形だ。クラウドファンディングは、支援者からリターンを約束して小口でお金を集めて、それからそのプロジェクトの実行をする。したがって、約束したリターンがちゃんと支援者に返せるかどうかはリスクがあるのだ。
今後も、クラウドファンディング市場拡大により、善意にしろ、悪意にしろ、クラウドファンディングで約束したリターンが達成されないケースや、期待はずれのリターンとなるケースが増えていくだろう。
このリスクを最小化するには、やはり、プロジェクト実行者が、その進行プロセス、資金使途を透明化し、どういう状況にあるかを支援者に逐次伝えていくべきだろう。また、プラットフォーム側もお金を集めればそれで終わりではなくて、市場を健全に広げていくに、まさにこの面を促していく必要がある。
本来、このようなリスクが顕在化した場合は誰がこのリスクを負うべきだろうか?
そもそも、クラウドファンディングが寄付ではなく、リターン(サービス)の事前購入という位置づけと考えれば、リターンが達成されない場合はそのプロジェクト主体者側がこのリスクを負うのが一番自然な考え方だ。
しかしながら、どのプラットフォームも、事前の約定では実際に約束したリターンが提供できない場合は、そのリスクは支援者(お金の出し手)が負ってくださいとうたっている。最近、Kickstarterでもこの点を再度リリースしたし、日本のクラウドファンディングプラットフォームもこの考え方を踏襲している。ただし、集めた金額が小さい場合は、善意あるプロジェクト実行者はお金を弁済するという今回のようなケースもありうる形だ。
個人的には、この点に、あまり目くじらをたてることは必ずしも好ましいことではないと考えている。リターンの確実性をあまりに追い求めると、クラウドファンディングの良さが損なわれてしまうからだ。
ただし、以下の点は正しい認識しておく必要がある。
クラウドファンディングはこれまでの金融市場ではお金を集められない、集めにくいプロジェクト(もしくはプロジェクト実行者)にもお金を集めることを可能にするという「市場の革新性」がある一方で、「お金の出し手の権利保護が弱い」という面があるのだ。これは表裏一体となっている。
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