「企業の社会貢献、CSRは企業利益につながるかどうか?」。この問いは、これまで多くの企業人、CSR業界の人たちを悩ましてきた問いである。また、実証研究も数多くおこなわれてきたにも関わらず、なかなか結論が出せずにいる。
私からすると、この問い自体、問いの設定自体が間違いで、ナンセンスなのだ。
(株)ソーシャルインパクト・リサーチがおこなった実証調査(上場企業2286社)で、企業CSRの利益に与える影響は各社の信頼度によって大きく異なっていた。
問うべきは、自社のCSRは利益につながるかどうか? どの程度、利益につながっているか? である。
この問いに、答えを与えてくれるのが、企業ソーシャルキャピタルだ。企業ソーシャルキャピタルは、「様々なステークホルダーが企業に寄せる信頼、好意、期待感、関係性、コンテクストの強さ」と定義される。一言でいわば、企業の信頼度である。
(株)ソーシャルインパクト・リサーチはこの定量化に成功しており、この企業ソーシャルキャピタルの利益に与える感応度を、「ソーシャルイノベーションスコア」と定義する。
この数値は、企業の信頼をうまく利益につなげることができる程度を示している。現在のところ、日本企業でこの数値が高いのが、ヤフー(0.44)、テルモ(0.8)、日本電算等である。
このソーシャルイノベーションスコアを使うことで、①CSRは利益にどの程度つながっているのか? ②同業他社に比べてCSR活動は効果的に行われているのか? ③どの点を改善するとCSR活動をより効果的にできるか?を判断することができる。
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