21世紀の経営指標をみつけよう、本当に良い会社を判断できる指標を求める動きが広がっている。これまでの財務中心の経営指標では、企業の本当の実力や実態が掴めないという認識が広がっている。
1つ例を示そう。これは、ソニーの売上高利益率と企業ソーシャルキャピタルを時系列に示したものだ。
図表をみるとわかるが、売上高利益率よりも、企業ソーシャルキャピタルの方が早くから減少に転じている。つまり、企業ソーシャルキャピタルの方が、利益よりも先行性があるのだ。
企業ソーシャルキャピタルとは、様々なステークホルダーが企業に寄せる信頼、好意、期待感、関係性、コンテクストの強さを定量化したものだ。
ソニーの出井さん時代はマスコミ的には華やかだったが、実は、出井さん時代に、ソニーは企業ソーシャルキャピタルが大きく減少させたことがわかる。つまり、企業の本当の価値を大幅に減らしたという点では出井さんは経営者としてはマイナス評価だ。
持続可能性、サステナブルを考える場合に、目先の利益をどう出したかとともに、その企業の本当の資産価値、将来の超過収益力の源泉、見えざる真の資産が増えているかどうかをみる必要があるのだ。
同じことは、パナソニックにも言える。
中村社長時代にパナソニックも企業ソーシャルキャピタルを減少させている。
日本の家電業界は実は、2000年前後が大きなターニングポイントだった。この時代をうまく経営者が舵をきれたかがどうが今を決めている。
売上高利益率、ROEは車で言えばバックミラーをみて運転しているようなものだ。前の危険を察知する指標としては、企業ソーシャルキャピタルが勝るのだ。
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