マイケル・ポーターの共有価値(CSV)という考えが徐々に広まりつつある。では、具体的にどう実践していくのかという点になると??になってしまう企業が多い。
CSVでは、株主価値からステークホルダー全体価値に視点を移す必要があり、まずは、ステークホルダーの影響度を定量的に測定することを薦めたい。
例えば、以下は、ソーシャルゲーム業界(ゲームプラットーマー)のステークホルダーの定量評価の実例である。
以下ステップ
①まずは、ステークホルダー全体をリストアップする。今回は10のステークホルダーをリストアップした。
ステークホルダーはなるべく幅広くとる必要がある。現在は影響が低いステークホルダーが将来的には大きな影響度を持つことも少なくない。また、自身単独では影響が低いステークホルダーが他のステークホルダーと連携することで大きな影響を与えることも珍しいことではないのだ。
②そのステークホルダーのプラスの影響を評価する。
③そのステークホルダーのマイナスの影響を評価する。
④そのプラスとマイナスを合計する。(加算すること、マイナスの影響度を減算しない)
⑤そのステークホルダーの行動可能性を評価する。
⑥合計値×行動可能性を掛け合わせる。
ソーシャルゲーム業界では当初はプラットフォーマーは利用者を獲得する人気ゲームを集め、プラットフォームの魅力を高める必要があり、ゲームデベロッパーを囲い込むかが重要な競争軸であった。
しかしながら、高額請求などの批判が強まるにつれ(まさに、社会的価値がクローズアップしてきた)、様々なステークホルダーが影響度が高まっている。消費者庁、ゲーム利用者の親など、未成年を取り巻くステークホルダーの影響と行動可能性が高まってきたのだ。だから、ゲームプラットフォーマーは、この点を考慮しながら、より持続的な成長を図るべく戦略の転換が図られている。どう戦略的にステークホルダーをマネージメントするかで、上記の考え方が役に立つだろう。
注意点としては、影響度の高まっているステークホルダーに注目すること、また、行動可能性が高まっているステークホルダーも注意が必要である。その行動を引きおこす可能性があるイベントも事前に予測しておくべきだろう。
これは、ポーターのCSV実践の第1段階のステップと位置づけられる。
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