2010年11月9日火曜日

ソーシャルメディア:アドボカシーの意味そのものよりも、その背景を探るべし 

 ソーシャルメディアを語る際によく使われる言葉がある。言葉の意味が統一されていないことが混乱のもとになる。海外の理論をそのまま持ってくることの弊害の一つだ。エンゲージメントとか、アドボカシーとかである。実はよく使われる言葉の変化がソーシャルメディアの本質を最もよく表している。

 よく使われる言葉は、ロイヤリティ→エンゲージメント→アドボカシーと変化してきた。言葉の意味そのものよりも、この3つの言葉が意味する、企業と消費者(ユーザー)の力関係をみてみよう。

ロイヤリティ→エンゲージメント→アドボカシー
ロイヤリティ     企業>消費者(ユーザー)、企業が強い
エンゲージメント   企業=消費者(ユーザー)、対等
アドボカシー     企業<消費者(ユーザー)、企業は先に損して後で得

 ロイヤリティの段階はまだ企業にパワーがあったが、エンゲージメントで企業と消費者は対等の関係になり、アドボカシーでは企業は先に損しないと消費者に相手にされなくなる。
 つまり、ソーシャルメディアが普及するにつれて、企業から消費者にパワーシフトしてきたことをよく表している。

 次は、おそらくは一時的な損ではなく、クレージーな損をとるか、もしくは無償の愛を意味する言葉がソーシャルメディアの本質として語られるはずだ。

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