株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2011年5月4日水曜日
ソーシャルメディアが産業構造を塗り替えるプロセス(ソーシャルキャズム理論)
図表はオサマ・ビンラディン殺害報道後、数時間にわたる1秒当たりのツイート数(TPS)を示したもの。TPSの“sustained rate(持続率)”記録を更新したと公式Twitterで発表した。
ソーシャルメディアがニュースが集められ消費させるプロセスを根本的に変えつつある。今回もニュースの第一ソースもTwitterである。
図はBrian solisがジャーナリズムのソーシャル化の影響を示したもの。
ソーシャルなジャーナリズムと伝統的なジャーナリズムとの違いは4点
1.Separatedly awareness
2.Response
3.Factchecking
4.Publishing
ジャーナリズムの世界でソーシャルメディアの影響は広がりつつあるものの、現段階では、まだInformation divide(情報デバイド)が存在する。情報デバイドとは、ソーシャルメディアは情報の速報性、伝播力では優れたものであるが、信憑性の部分ではまだ劣っており、伝統的なジャーナリズムを凌駕するには至らずにメインストリームには影響しないという深い谷(キャズム)のことである。
私はこれを「ソーシャルキャズム」と呼びたい。
このソーシャルキャズムの存在は、既存ジャーナリストの人たちには活躍の機会を提供する。個人のブログやTwitterでニュースネタをみつけて、その信憑性を補強することによって、既存ジャーナリズムの流すというのが一つのアービトラージ(裁定行為)の方法だ。
このソーシャルキャズムはゲーム産業でもほぼ同じパターンで存在する。
いろいろな産業でソーシャル化が進むが、当初は質の面の信頼性が低いことで、既存プレーヤーからは脅威と感じられない、メインストリームは(一見)安泰と思われる。
しかしながら、ソーシャルメディア、ソーシャル化の浸透とともに、集合知が集まることで、その質を高めるメカニズムが内包されていることに注意が必要である。
4つの特徴である、2.Response (レスポンスの早さ)と4.Publishing(情報の受け手が情報編集)が1.Separatedly awareness(ソーシャルグラフの拡大、集合知の拡大)とともに、3.Factchecking(質)を急速に高めるメカニズムを内包するからである。
このソーシャルキャズムを乗り越えると、既存の産業が代替され、産業構造も大きく塗り替えられることになる。
リアルタイム化の進展とモバイルデバイスの普及が、様々な産業で、ソーシャルキャズムを乗り越える確率をあげていくだろう。
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