株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2011年5月5日木曜日
ソーシャルメディア時代のソーシャルキャピタルの正体って?
もともと、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)の概念は、人々の協調行動が活発化することにより社会の効率性を高めることができるという考えで、基本的な定義は、人々が持つ信頼関係や人間関係(社会的ネットワーク)のことを意味します。
デジタル時代のソーシャルキャピタルとは、ソーシャルグラフ上のソーシャルネットワーク上で結ばれた人同士の信頼、尊敬、評価、評判と定義できると思います。
なぜ今このソーシャルキャピルに注目する必要があるかというと、ソーシャルキャピタルがいろいろな機会を生み出したり、人を集めたり人を動かしたりするので、結局のところ、マネーを生み出す本質的源泉になってきたからだと思います。大きな経済パラダイムがマネーキャピタルからソーシャルキャピタルへシフトしつつあると言えるかもしれません。
私なりにざっくとこれまでの経済パラダイムと比較してみると(図表)
・前者がマーケットエコノミーに属するのに対して、後者はボランタリーエコノミーに属します。
・価値交換の媒介は、マネタリー経済が貨幣通貨(まさにマネー)であるのに対して、超情報経済パラダイムではソーシャルオブジェクトになる点が大きく異なる点です。
・このソーシャルオプジェクトを通じて、人々のアテンションを生み、ネットワークの参加者同士のインタラクションや、新たな出会いなどを生み出すことができることが、企業の価値の源泉となります。前者では価値は交換されるのに対して、後者は価値はシェアされます。
・企業戦略は、参加者同士のインタラクションが価値の源泉なので、フリーミアム戦略が用いられます。また、有料の課金はダイナミックプライシングで、willing to pay=価格で、消費者の感じる価値=価格という価格体系がとられます。
・また、重要な経営資産もシフトし、その力学も変わってきました。このパラダイムソフトにより、経済の中心プレーヤーは銀行、証券から、SNS、ソーシャルグラフプロバイダーに移りつつある、とも言えるかもしれません。
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