2012年11月20日火曜日

ナチュラルアートの社会的価値


ナチュラルアートの鈴木社長からお話を伺った。鈴木社長ご自身では敢えてソーシャルとか、ソーシャルアントレウレーナーということを言う必要はなく、そもそも企業はソーシャルでなければ生き残れないというご認識である。

ナチュラルアートのソーシャル性について、どう判断すべきかを考えてみたい。


儲けとミッションのバランス
 まず、当社は儲けることよりも、ミッションを重んじている。これは、ソーシャルであるための一番の条件と言えるかもしれない。

組織形態、資本構成
 普通の株式会社形態。出資者が多く、資本金も5億円を超える。出資者は金銭的リターンよりも、当社がおこなっていることの社会的意義、つまり社会的リターンを目的に投資しているという。この社会的リターンで投資する株主をみつけられたことで当社の創業からの事業が支えられている。ハイブリッド化が進んできており、組織形態が必ずしもソーシャル性を示さなくなってきている。

事業内容
 農家という経済的、社会的には苦境にさらされているセクターを応援し、寄り添うというスタンスをとっている。自社を仕入れ団体と位置づけている。極力、農家からの仕入れでは値切りをしないでいかに農家を楽にしつつも、消費者の満足をたかめることで売上、収益を伸ばすことができるかを追求する。

自社の収益性
 当社は売上で100億円を超えるそうだが、あまり儲かっていない(儲けていない)という。当社が儲けすぎることは農家からの仕入れを値切る必要であるが、当社はそれを望んでいない。

ステークホルダー間の利害調整
 ステークホルダーには、農家、消費者、農協、スーパー等の小売りがある。農家を支援するというスタンスが強く、スーパーとはやや対立的な関係にあるようだ。生活者の安心安全、新鮮なものを求めるニーズに答えつつ、農家もある程度もうけられるということを軸にしており、当社はその間にたつ存在となっており、オイシックスやらでいっしゅぼーやとは一線を画するモデルとなっている。

マイケル・ポーターの共有価値(経済的価値と社会的価値)
 この枠組みで捉えると、経済的価値をあまり生み出していないが社会的価値は大きいとという評価ができる。値切りをしないでいかに農家を楽にしつつも、消費者の満足をたかめることで売上、収益を伸ばすことができるか? さらに、社会的な価値を経済的価値に転換するモデルに昇華できるかが最大のポイント。そのためにはうまく環境を活かす必要がある。今後、食の安全、安心と、TPP等でグローバル化が求められている中で、当社が農業バリューチェーンの中でさらに重要な位置づけを占められるかどうか? 還元すると、農家、農作物の価値をさらに高めることができるか? この点は、農家と消費者の間に一しているので、物流と情報化という「つなぐ役割」をうまく機能させられるかにかかるだろう。バちゅーチェーン全体の生産性が重要であり、Collective Impactの視点を取り入れることができるだろう。

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