2012年11月19日月曜日

世界を変える偉大なNPO6条件の再構築


 
  世界を変える偉大なNPOの条件の著者の講演会に参加した。

 このリサーチの問題点は偉大なNPOを選択する基準が一般人へのアンケート等も含まれ、必ずしも正しくない点である。非営利企業の偉大さは、営利企業の財務的数値のようなもので測ることはできない。ソーシャルセクターの偉大さの基準は社会への影響力の大きさ、ソーシャルインパクトであるべきである。ただし、世の中にソーシャルインパクトの測定法は確立されてものはない。この点に、著者も大変苦労したようだ。(SIR社の開発したソーシャルインパクト指数でこの問題は解決できる。)

また、6つの条件は以下のように鳥瞰的に整理することができる。


 縦軸を企業の内への働きかけと外への働きかけ、横軸をパワーの大きさ(小さい〜大きい)の2軸で分類すると図表になる。つまり、外への働きかける力が増えるとその組織のパワーも増すという関係性が見いだされる。


企業との比較の視点
 企業戦略の世界では、リソースベースビューで企業が競争優位を獲得するにはコンピタンス、ケイパビリティ、資産が重要であるという考え方が支配的になった。6条件にはこのリソースにあたるものが少ない。

 私は、NPOももっとこのリソースという面に注目すべきではないかと思う。例えば、共感力、オープンな組織文化、つながる力、自分たちの活動の意義を広げる力などの無形資産の価値はNPOにとっても非常に重要ではないかと考える。仮に、組織特有の資産がそれほど重要でないという考え方をとると、ある意味では誰でもそのような偉大なNPOをつくることができるという話になってしまうからだ。以上の点を考慮して修正したものが下図になる。




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