2012年11月18日日曜日

マイケルポーターのCSVと渋沢栄一の思想


  日本でも、マイケルポーターのCSV経営が注目されてきている。ポーターは、企業の目的を、共有価値、経済的利益と社会的便益の両方を高めることと再定義すべきと主張している。

 原丈人さんが唱える公益資本主義も、基本的には同じ思想である。株主利益追求の弊害をとなえ、より公益的な資本主義を実現させる方法を提案している。

 実は、同じような思想は、日本でも渋沢栄一がずっと前に唱えている。ドラッカーも渋沢栄一の思想を非常に評価していた。

以下引用
「国を豊かにするための基本はなにか。それは、いつくしみの心と道徳、正しい方法で得た財産である。そのため、論語と算盤という、一見かけ離れているように見えるふたつを一致させるのが、今日の急務だと私は考えている。」

「道徳と商才には何の関係もないように思えるが、商才もまた道徳を根底としている才能である。それは、嘘や不道徳、不誠実、他人をだまして得た商いは長続きしないのをみても明らかである。」

「時代が進むにつれ、実業界においても生存競争が激しくなるのは自然の結果である。だが、実業家がこのときもし私利私欲の考えに走ったら、社会はますます不健全になり、危険思想が徐々に萬延していくに違いない。社会のためこの状況を矯正しようとするなら、仁義道徳を大切にしながら金儲けを進めていくという方針を採り、人の道とお金儲けをあわせてひとつのことであるという考えを打立てなければならない。」

また、周時代の、文王、武王、孔子を比較して、人を評価する基準について考察している。孔子は小国も手に入れられなかったので、文王や武王より劣っているかと問いかけている。

この問いに関しては、「人を評価する場合には、何をやっているのか、その動機を観察し、そしてその結果が世の中や人々の心にどのような影響を与えたかまでみないと人の判断はできない」と唱えている。

これはまさに、ソーシャルインパクトを意味しています!

ソーシャルインパクト・リサーチの本当の創設者は渋沢栄一さんであることを認めます(笑) 。ソーシャルインパクト指数は当社の登録商標でありますが。

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