2013年12月31日火曜日

鎌倉投信とTOPIXのパフォーマンス比較

自分が注目している指標の1つは、鎌倉投信とTOPIXのパフォーマンスの差である。
最近はだいぶ鎌倉投信の結いをTOPIXが急速に追い上げてきた。

鎌倉投信は質の高い、いい会社をボトムアップによって発掘してきた。
しかしながら、アベノミクスによる、大企業、円安、輸出増により恩恵を被るようになり、質があまり評価されないのか?

それはソーシャルセクターも同じ傾向ではないか? 経済成長させすればすべてがうまくまわるという幻想を振りまわされると、ソーシャルセクターの存在意義が薄らぐ

次のタイミングを図ろう。質と量のバランスが崩れるタイミングが必ずくるのだから。そのタイミングは8割は外的ショック、2割は内的ショックから生まれるだろう。

何はともあれ、投資家にとっては今年は恩恵だった。だいたい50%のリターンが得られたのだから。

2013年12月30日月曜日

ウィキペディアの衰退、クラウドビジネスの方向は?



 今月号の雑誌アスキークラウドに「ウィキペディアの衰退」が特集されている。現在、様々な形で集合知(クラウド)を活かすビジネスモデルが勃興、成長する中で、その先駆けであるウィキペディアは逆に競争力が低下したというのは興味深い。

 確かに、自分自身もウィキペディアに書き込んだことはない。誰でも書き込めるオープン性はあるが、実際に書き込む人は専門家だったり、関係者だったり、ごく一部の人に占められているのかもしれない。一般の人にとっては敷居が高い。

 今、クラウドビジネスで求められるのは、オープンであるとともに、そこで異質の知が融合されることで、新しい知の発見やイノベーションが実現できる点である。
それだけに、敷居を低くして、どのようにユーザーを引き込み、関与されるか、そのユーザーインターフェースや設計思想が重要となっている。クラウドビジネスはある意味の民主化プロセスなのだ

 今後、ウィキペディアの衰退が象徴するように、クラウドビジネスは静態的なものからより動的なもの、インタラクティブ、コラボ的なものに移っていくだろう。

2013年12月29日日曜日

大学生が休耕地を活用した地域活性化プロジェクトのSROI評価



 国土交通省の委託事業の一環で、大学生が休耕地を活用した地域活性化プロジェクトのSROI評価をやっています。

このような地域活性化は全国で様々事例がありますが、実際にどのくらいの効果があったのかは計算することはほとんどないので、調査としては貴重ですね。また、それが地域活性化の成功メカニズムを明らかにするきっかけにもなります。

SROIを計算する場合、
アウトカム/インプットを計算して、その社会的効率性を算出、評価します。
今回の場合は、大学、学生がその要(カナメ)となっています。

まず、学生、大学がインプットとして入ることによって、プロやそれで生計を立てている人だったら成立しないプロジェクトが成立させることができます。

また、学生、大学が主体になることによって、様々な地域の人たちの協力を得ることができている。やはり、利他的な活動や活動主体がやることは「巻き込み力」があります。

 このような地域活性化プロジェクトの場合、技術開発と同様にスピルオーバー効果が生じます。このプロジェクトで地域に様々なプラス効果が生じるが、その効果の受け手、所有者がそれを受け取れない場合、そのプロジェクトをやるインセンティブが生じなくなってしまう。いわゆる正の外部性ですね。行政が補助金を出す方法もありますが、厳密にみるとその効果は違うように思います。その点、学生、大学が主体になることで、スピルオーバー効果を実現できるという点も大きな点に思われます。

 次の段階は、このプロジェクトが他の地域へ展開可能な形のモデル化ができるといいと思いますので、今回の調査もその点を見据えたレポートにしたいと思います。

2013年12月28日土曜日

今年の雑感

久しぶりのブログです。

 最近、自分のブログをみた大手広告代理店の人が尋ねてきてくれて、改めて、ブログの経済的価値、社会的価値を感じることができたので暇をみて再開していきたいと思います。また、自分の思考を内省するという時間も自分にとっては本当に貴重です。

 仕事が忙しくて時間がとれなくなったことが書かなくなった理由ですが、クライアントの仕事が絡んでくると、凄く面白いテーマでも守秘義務で書くのも難しくなったことも大きいです。


今年は、
  • もともとは、ソーシャルセクター(NPO/社会的企業)向けのインパクト評価をやってきましたが、大企業にもインパクト評価コンサルを実施して、成果をあげる自信がつきました。お客さんは売上1兆円以上の会社がほとんどで合計すると15兆円ぐらいになります(私は1兆円クラブと言っています)。
  • また、インパクト評価からインパクト投資の領域を開拓して大きなクライアントを獲得できました。
  • 6月に、ソーシャルインパクトボンドのカンファレンスを実施しました。これを機に、日本版SIB研究会をスタートしました。SIBの日本への導入、啓蒙は当社のCSRとして取り組んでいます。当社で2種免許があるので、今年はSIB案件を組成したいと思います。候補先は3件。
  • 10億円のスポンサーがついたので、来年はソーシャルインパクトファンドをスタートしたいです。
  • 官庁もクライアントにできました。時給は安いですが、実積作りも大切です。
  • 統合報告が12月からスタートしました。当社でこの方法論はかなり確立したのでもっと売込む必要があります。制度作りは監査法人が関与してやってますが、実際には投資家としての視点がないと意味がないので、この分野でも当社の強みが活かせると思います。
  • 12月に神楽坂に支店(クリエイティブオフィス)を設置しました。こどもの保育園の40mぐらいしか離れていないので、何かあっても、すぐに駆けつけられるので安心で
  • 補助金を2件獲得しました。子会社を1社つくりました。ビッグデータ総合研究です。近々、もう1社、作る予定です。
  • 民主党から自民党に代わり、ソーシャルセクターは元気がないですかね。景気さえよければ問題が解決するという観念時代が間違っていますから。すぐに安倍政権への期待は幻想だったとわかるでしょう。社会的課題の解決コストを明示して、その解決に質の高い解決をおこなうことができない以上は増税しても予算が増えていくだけですから。

今後取り組むテーマとしては、

  • 自然資本価値を研究してみたいです。ここが、これからのフロンティアだと思うので。今、大手金融グループの生物多様性プロジェクトのインパクト評価をしていますが、自然という非常に大きな課題に対して、個々のプロジェクトの価値は小さなものでしかない。しかし、一方で、そういう地道な取り組みの価値を評価していくこともまた大切です。これをどのようにして結びつけるか。やはり独自のモデリングをおこなうべきでしょう。
  • ソーシャル認証にトライしてみたいですね。アメリカのBcorportionの流れは日本でも来ると思うので。広告の効果が低下する一方で、自己証明だけでは、意味的消費が高まる中で不十分だと思うので、そこを第三者が認証する価値がたかると思います。



2013年2月18日月曜日

戦略ストーリーとCSR



戦略ストーリーとは

現時点から
将来ビジョンに向けて
どうやってそこに到達するのか?
本当に成功できるのか?
聞き手を納得させるストーリー、と言えるだろう。

戦略をストーリーとして語ることで、

わかりやすい
方針が明確になる
組織をやる気にさせる
コラボレーションを容易にするなどのメリットが生じる

企業CSRも、この戦略ストーリーとの整合性、ベクトルをあわせる必要性が求められるだろう。

この戦略ストーリーは、ベインの元会長オリットガデキィッシュがHBRで論じた、ストラテジック・プリンシプルと同様のものである。

彼は、ストラテジック・プリンシプルは

経営資源をどの事業に傾けるかを決める指針になる
行動判断の基準となる
方向性を示した上で自由なチャレンジを認める、と言っている。

また、
『差別化につながる独自の価値を生み出すためには、どのような資源を配分すればよいだろうか』を常に問い、そこを切り口にストラテジック・プリンシプルを見つけるとよいとアドヴァイスしている。

社員にとって、
わかりやすいか
要点をついているか
覚えやすいかをチェックすべきと論じている。


2013年2月12日火曜日

企業の美的基準

企業は美しくなければ生き残れない。企業にとって美とは鑑賞するためのものではなく、生き生きとした活力であり、競争上の優位性をもたらす源泉である。企業の美を考える基準をMarty Neumeier氏の考えを改良して考えてみた。

対比 会社そのものを他社と差別化するにはどうしたらいいか?

深さ ビジネスに成功するにはどのようなケイパビリティの深さが必要とされるか?

フォーカス 会社はどの領域にフォーカスすべきか? その判断基準は何か?手を出してはいけない領域はどこか?

調和 事業シナジーを達成するにはどうしたらいいか?

完全性 部分を全体に融合するにはどうしたらいいか?

 会社の長期的な売上の成長曲線は? 利益の成長曲線は? 人の成長曲線は?

動き 自分たちの動きはスピーディか? スピードからどんな優位が得られるか?

新規性 現在、どこに一番のビジネスオポチュニティが生じているか?

秩序 どうやって組織に秩序をもたらすことができるか?

パターン 現在のパターンは以前生じたパターンと類似点はないか?

反復 規模の経済はどこに生じているか?

リズム 会社の基本的な活動の単位はどのくらいか?

均衡 ステークホルダーの満足はどのあたりに均衡点があるか?

規模 会社の大きさはどのくらいにすべきか? 必要以上に大きい弊害、必要よりも小さい弊害は何か?

 どこに会社の事業基盤の中心をおくか?

質感 組織上で、機能面で重点すべきところはどこか?

統一性 顧客が真に何を求めているものはないか? そのためには何が必要か?

多様性 差異を活用することで逆にイノベーションを推進することができないか?

2013年2月10日日曜日

コンテクスト作りとしてのCSR


 企業CSRは企業製品やその機能を直接的に生活者に売込むことはしない。むしろ、生活者とのコンテクスト作りに役立つのである。

CSRを企業の生活者とのコンテクスト作りという視点から捉え直すと、いろいろと見えていないものが見えてくることがある。

まず、コンテンツ、コンテクストの一般原則を考えてみよう。

一般原則は

①コンテクストはコンテンツに先行する。つまり、コンテクストがないとコンテンツが流れない

②コンテクストはストックである。以前のコンテンツ効果が累積されている

③単純なコモディティ製品を除いては、購買に大きな影響を与えるのはコンテンツよりコンテクストである

④コンテクストがないとストーリーは生まれにくい

⑤コンテンツを流すことを目的とするコンテンツと、コンテクスト作りを目的とするコンテンツは異なるものである

⑥コンテクストを作る上で重要なのは双方向的なコンテンツの流れ(対話、ダイアログ)である

⑦企業側のリアルタイムな対応により、オンライン上でもコンテクスト作りが可能となってきている

⑧コンテクストは意味的消費においても重要な役割を果たす。





2013年1月31日木曜日

ソーシャルセクターの市場ビジョン


SIR社は以下のようなソーシャルセクターに関するビジョンをもっています。
  1. ソーシャルセクターを支援する方法論は寄付モデルと投資モデルの2つがある。寄付モデルは困っている人たちが助かることが主眼なのに対して、投資モデルは社会的課題を解決することに主眼がある。
  2.  寄付モデルは突発的な危機迅速に対応できるのに対して、投資モデルはモデル構築に時間がかかるものの大きい社会的インパクトを期待できる。
  3. 日本のソーシャルセクターの量子的飛躍のためには、ソーシャルセクターの投資モデルを開発していく必要がある。そのためには、ソーシャルインパクトの評価測定、それをもとにした投資スキームの開発が不可欠となる。震災復興支援を持続可能なものにしていくにも、この投資モデルの開発が有効となろう

2013年1月27日日曜日

ソーシャルビジネスが儲かるための条件

エンパブリックの広石さんが、ソーシャルビジネスは儲からない原因について分析されています。

 これに対する反論としては、ソーシャルビジネスで儲かっている事例を挙げることで、この主張を覆すことができるように思われます。

例えば、最近IPOしたユーグリナ(ミドリムシ)。

もともとは、出雲社長がバングラデシュの貧困を解決するために平成178月につくった会社です。最初はミドリムシを食料品から。最近では、化粧品、バイオ燃料としての実験的な取り組みが始まっています

最初は赤字続きでしたが、最近ではマスコミに取り上げられることも多くなり、売上、利益も急成長しました。これも、ソーシャルビジネスとしての共感性をうまく活用したと言えるでしょう。

もし仮に、ユーグレナがマスコミで取り上げられている効果を換算したら、軽く3億円〜5億円かかっていると思います。これが無料でできているのが最大の強みと言えます。

ですから、ユーグレナの場合は、ソーシャルビジネスでも儲かっている事例ではなく、実は、ソーシャルビジネスだからこそ儲かる事例と言えるのです。


 当初のミッションをもってはいますが、現在のところでは主要販売先は日本であり、しかも貧困層ではありません。

壮大なミッションをもったことでビジネスがスタートしたわけですし、現在もその志を捨てたわけではありません。また、その志に対する共感性が成長の源泉となっていますから、ユーグリナはソーシャルビジネスと言っていいと思います。

しかも、儲かっています。

よって、ソーシャルビジネスが儲からないという主張は必ずしも正しくない。

しかしながら、ソーシャルビジネスが儲かるためには以下の点が言えると思います。
  • ソーシャルビジネスが儲かるようになるには時間がかかる
  • したがって、この儲からない時期を支えてくれる投資家、エンジェルが必要。
  • ビジネスの舵取りとしては、そのミッションを持ちつつも、コンピタンス、当社の場合はミドリムシの大量培養技術ですが、それを利用した多角化に収益化を図る必要があります。ミッションと持続性のバランスの舵取りが必要と言うことです。

2013年1月23日水曜日

寄付から投資のパラダイムシフト


寄付から投資のパラダイムシフト」という講演プレゼンを作っています。
寄付モデルと投資モデルはどう異なるのか? 日本では、まだこの点に関してあまり理解が進んでないようです。

私は以下のように整理しています。

          図表:寄付モデル VS 投資モデル
寄付モデルは困っている人たちが助かることが主眼であるのに対して、投資モデルは社会的課題を解決することに主眼がある。

寄付モデルは見返りの期待は小さいのに対して、投資モデルは見返りの期待が大きい。

寄付モデルは寄付者と寄付を受ける人、対象の関係性は一過性であるのに対して、投資モデルでは継続的である。

寄付モデルは危機に対して迅速に対応できるのに対して、投資モデルはモデル構築に時間がかかる。しかしながら、社会的インパクトは寄付が小さいのに対して、投資は大きい社会的インパクトを期待できる。


 社会にインパクトを与えるために、寄付モデルとともに、投資モデルを開発していく必要がある。震災復興も2年近くなり寄付金額も細っており、大きな社会的インパクトを生むとともに、持続可能なものにしていくには投資モデルの開発が不可欠となる。

2013年1月22日火曜日

ビッグデータが日本企業に迫る本当の意味は?

 ビッグデータ活用に注目が集まっている。これまでとはケタが違うレベルの大量のデータの活用が可能となってきたことが背景である。しかしながら、日本企業はビッグデータを自社の競争優位につなげることができるのか? そもそも、ビッグデータが競争優位につながるものなのかはまだ十分に実証されたとは言えない。

 ビックデータ活用でよく取り上げられるのはアマゾンである。日本法人も、米国同様のビジネスモデル、データ処理、アルゴリズム処理をおこなっている。日本法人の売上は4700億円を超えて、まさに斜陽産業となっている書籍業界の中でも破竹の勢いとなっている。
この背景にはアマゾンのビッグデータの活用のうまさがあると言われている。

 そもそも、競争優位につながるかどうかはその資源(リソース)の質による。リソース・ベースト・ビュー(RBV)理論にたつと、競争優位の源泉はその企業独自のユニークな資源であり、かつ、その資源は、①模倣可能性、②持続性、③帰属性、④代替可能性、⑤競争優位性を満たす必要がある。

  例えば、オイシックスは顧客が自社の会員になるかどうかは豚肉を注文したかどうかで高い確率でわかることを発見したという。これが事実であれば、豚肉を買ってもらうためにセット商品にしたりまた、価格を下げたり、ビッグデータを活用してマーケティングに活かすことができれば確かに競争優位に繋がるものと言えよう。

 オイシックスの例では、自社の顧客データを活用するという点ではまさに①模倣可能性、③帰属性、④代替可能性を満たしていると言えよう。ただし、そのビッグデータを活用する人材という補完的な経営資源なくしては、そのビッグデータは宝の山ではありながらも、潜在的なものにとどまるという点には注意が必要であると言えよう。ビッグデータ時代に増えるのは非構造的な、定量的なデータの方であり、そのデータを如何に構造化し、データから組織に意味のあるインプリケーションを導くかはそう簡単な話ではないのだ。

 また、業界によってもビッグデータの活用度合い、そのポテンシャルは異なる。私からみると、日本の業界で比較的ビッグデータの進んでいるのはソーシャルゲーム業界、コンビニ業界である。例えば、あるソーシャルゲームの会社では、発売したソーシャルゲームがヒットするかどうかは、発売直後の1〜2週間ぐらいのトラフィックデータ、インタラクションデータから高い確率で推定可能という。また、ソーシャルゲーム業界はアイテム課金などの課金方式で、ユーザーのWilling to Payの課金になっており、リアルタイムマーケティングが進んでいる。コミュンケーションが活発なユーザーほど高いお金をアイテム課金で落としていく。だから、ゲームの開発会社はいかに他者とのコミュニケーションを活発化されるべく、ゲームを作り込んでいくのだ。デモグラフィックデータよりもコミュニケーションデータの価値が高いのだ。これは消費者がネット、ソーシャルメディアで連結されるにつれて、様々な業界でますます重要になっている視点だ。

 ビッグデータを活用する上で、このリアルタイムなデータを活用できるのかが非常に大きなポイントと言うことができる。アジル(迅速)に、ユーザーとのリアルタイムな情報を活かし、リアルタイムなレスポンスに活かす。データは鮮度が重要であり企業に、そして顧客に価値をもたらす。そのデータの鮮度を活かすには組織にリアルタイムに情報を活かす体制がなければいけないのだ。この点では、B2B業界よりもB2C業界の方がビッグデータのポテンシャルを活かすことができるということができるかもしれない。

 もう一つこれはあまり語られていない話だが、ビッグデータを活用できるかどうかかは組織の人材の多様性が影響する。この点は、日本企業の共通の弱点にもなっているので、心すべきだろう。データ、情報は差異をもたらすものということを肝に銘じる必要があるのだ。金太郎あめのような同一の発想、思考では情報から意味を汲み取ることが難しいのだ。

 私のビッグデータの関心はソーシャルメディアROIをどう測定するかという点を出発点にしている。この点で、様々な業界で、エンゲージメントの違いが顧客価値に有為な差を生み出すことを発見し、それにあわせたマーケティング提案をしてきた。顧客、潜在顧客のコミュンケーションデータ、インタラクションデータをどう活かせるかが今後さらに重要になっていくだろう。つまり、情報の中でも、過去の購買履歴のような情報よりも、つながりの情報価値の重要性が高まっているのだ。誰とどうつながっているのか、誰とどういうコミュニケーションをとったかがその個人の行動予測性を飛躍的に高めることができるのである。

2013年1月21日月曜日

2013年ソーシャルセクターの方向性2


自民党政権に変わり、鳩山さんが推進した、新しい公共という言葉も死後になりつつある。ただし、新寄付税制とNPO認定制度は今後も、日本のソーシャルセクターに大きな影響を与えていくだろう。

ソーシャルセクターの助成金が期待できないので、中間支援組織も自主事業に向けた動きが始まりつつある。

JACEVOはソーシャルセクター向けのコンサルタント養成事業をリリースした。
私が知っている他の中間支援組織も、今年度は自主事業向けての準備を進めている。

ETICのような自主採算事業(インターシップのマッチング)があればいいのだが、中間組織団体は助成金がないと経営が成り立たないので大変である。

注目すべき流れは、 ちいさな未来企業補助である。

この「ちいさな未来企業補助金」がソーシャルセクターにどう影響を与えるかが注目される。

運用面はまだわからない点も多いが、
  
(以上引用)
若者らの小規模な起業(従業員が数人から20人以下)を促すために、1社あたり数百万円程度の小口の助成制度。2013年から5年間で約1万社を支援する方向。中小企業庁の創業・技術課の発表では、平成25年度の概算要求額は、50億円(特別重点要求40億、特別要求10億)

ITや子育て支援、介護や学習塾など、地域に根ざした会社を増やし、雇用の担い手としても期待する。また、若者の活力や女性ならではの視点を生かしたウェブデザインや、介護、食品販売など各地域の需要に合ったきめ細かいサービスの担い手を育てる狙いもある。

これをみると、ソーシャルセクターも対象になりそうである。ただし、どう採択していくのかその運用面の仕組みは不明である。

採択の認証に、既存の、ドリームゲートのような起業家サポート機関や、中小企業診断士、コンサルタントがどう関わってくるのか? 注目される。