株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2011年3月25日金曜日
今回の日本の大震災が、もしかしたら(いや、確実に)、<シェア、コラボ消費>普及の起爆剤になる
昨年末に買った、シェア《共有》からビジネスを生み出す新戦略(NHK出版)はつんどく状態になっていた。TEDで著者レイチェル・ボッツマンの講演があったのでみてみた。
《シェア、共有》という概念は情報財で考えると簡単にコンセプトを理解することができる。
情報財の価値は情報の鮮度である。例えばビデオを想像してみよう。通常の情報財は発売された直後の価値がユーザーにとって最大となり、その後、価値が低下していく。または、1回みたら、ユーザー価値が急減に下がる。
しかしながら、その情報財をまだ見ていない人にとってはその情報財の価値が高いもまだ。
したがって、その情報財を高く評価するAと、高く評価しないBの間で価値のスワッピングする可能性が生まれるのだ。それは取引コストが大きくない限りにおいて成立する。
シェア事業者は、そのスワッピングする場の提供、相手が信用できるかどうかの信用情報の提供をおこなうことで、この取引コストを極力下げようとする。
これによって、Economic Value(経済価値)を生み出すことができる。その会社がなければ生まれなかった経済取引を成立させた価値だ。何回かブログで触れているが、ソーシャルウェブサービスが普及するかどうかは生み出すEconomic Valueをみれば予測することができる。Valueがあれば取引が生まれるのだ。逆ではない。
この取引コストは、モバイルネットワーク、ソーシャルネットワークの普及によって、ここ数年で急激に下がったため、これまでシェアが不可能な領域まで広がってきているのだ。
今回の日本の大震災が、もしかしたら(いや、確実に)、《シェア》普及の起爆剤になる。アメリカでは、ちょうどリーマンショックがシェア普及のターニングポイントになった。不況+ソーシャルがシェアを後押しする。また、シェアのベースには共感、もったいものを節約する気持ちがあるからだ。
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