株式会社ソーシャルインパクト・リサーチ代表パートナー。慶応大学大学院(KBS)卒。早稲田大学院環境エネルギー研究学科博士課程在籍中。証券アナリスト。持続可能な社会の実現のために、ソーシャルインパクトの評価測定、そしてソーシャルインパクトをお金にかえる仕組みを提案。ソーシャルインパクトの評価測定、インパクトファンドの運営等を事業としておこなう。Twittier:kumataku1
2011年4月29日金曜日
ソーシャル時代の新しい企業経営の前提:任天堂はメディアカンパニーに生まれ変われるのか?
一言で言って、任天堂の生き残りは「自分たちがメディアカンパニーだという新しいマインドセットを持てるかどうか」にかかっていると思います。
任天堂が前期決算で大苦戦しています。
売上高で約30%の減収、当期利益で約66%の減益となっています。
決算説明会で、岩田社長は、ソーシャルゲームの影響ではないかという質問に対して、明確に否定しています。
その根拠は、ソーシャルゲームを有料で楽しんでいる人はDSソフトの稼働率、購入本数も高いというだけなんです。
本当にこの認識は正しいのでしょうか?
ソーシャルゲームで有料楽しんでいる人は、ソーシャルゲームユーザーの1%〜3%なんです。だから、残りの97%の人のことは忘れちゃってるんです。
前提がいろいろ違うのかな?と思います。
前提1
任天堂のプラートフォームは、ゲームタイトル(ゲーム制作者)とゲームユーザーをマッチングさせるプラットフォームなんですが、
ソーシャルゲームのプラットフォームはゲームユーザー同士、人と人をつなぐプラットフォームです。
前提2
ユーザーとつながるソーシャル化は任天堂のゲームにとってはおまけなんですが、
ソーシャルゲームには本質的な価値でそれなくてはゲームの意味がないものです。
前提3
ソーシャルゲームのプラットフォームはメディアなんです。人を多く集めることでそのプラットフォームの価値が増しているんです。無料の人たちもそれに貢献しているんです。
任天堂にその認識はないんです。お金を落としてくれる人たちだけは自分たちの顧客という狭い従来の認識に囚わすぎています。
前提4
また、ゲームはお金の消費だけを競っているんではなくて、他のエンターテイメントと時間の消費を競っているんです。
ソーシャルシフトが進んでいく中で、自分達がメディア企業だという新しい前提、マインドセットが必要なんです。新しい評価指標(メトリックス)が必要ということに気づいていないんです。従来のタオレシオ(ハード当たりのソフオ購入本数)だけみていて視界不良に陥っていると思います。
以上のことは、あらゆる業界で、ソーシャルメディア時代の新しい企業経営の前提になると思います。
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