2012年11月11日日曜日

公益資本主義の前提(2)



ジェームズブルナー博士がもう一つの面白い主張をしている。

社会や企業が成熟するほど、関係者の協力、プラスサムにするのは難しいという主張である。その理由は、吸い取れる既存価値の方が大きいから。

その実現のためにはプレーヤー同士の結託が有効な手段となる。

例えば、米国における経営陣と株主の結託。企業の資産から自社株買いによって株主に利益を与える一方で、その見返りに経営陣はストックオプションによって得をする。

日本の場合は、経営陣と株主の結託はあまり見られない。むしろ、従業員と経営陣の結託という形だろう。これによって、株主が損をする。

このような中で、日本で、投資家を長期に縛り付けるようにするのは拷問に近いと言えないこともない。

 公益資本主義が必要といっても、米国と日本では出発地点が違う。この点を踏まえた議論も必要なように思う。

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